相続税は、相続財産の額が一定の基準を超える場合に課税される税金です。
しかし、すべての財産が課税対象となるわけではなく、「基礎控除額」が設定されており、この基礎控除額を超えた部分にのみ相続税が課されます。
この記事では、相続税の基礎控除額の計算方法について解説します。

相続税の基礎控除額とは

相続税の基礎控除額は、相続財産のうち、課税対象となる部分の金額を決定する基準です。
この基礎控除額以下の財産については相続税がかからず、超過分に対して税金が課せられます。

基礎控除額の計算方法

基礎控除額は以下の計算式で求められます。  

・基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の人数)

たとえば、法定相続人が2人の場合、基礎控除額は次のように計算されます。  
3,000万円 + (600万円 × 2人) = 4,200万円  
この場合、相続財産が4,200万円以下であれば相続税は発生しません。

法定相続人とは

法定相続人は、民法で定められた相続人を指し、配偶者や子ども、親、兄弟姉妹などが該当します。
配偶者は常に相続人ですが、その他の相続人は、亡くなった人との関係により次のように順位が決まります。  

1. 子ども（直系卑属）  
2. 親（直系尊属）  
3. 兄弟姉妹（傍系血族）  

相続順位の上位者が存命の場合、下位者は相続人になることはできないため注意が必要です。
また、養子も法定相続人に含まれますが、基礎控除額の計算において養子の人数には制限があります。

基礎控除額の具体例

実際に基礎控除額がどのように適用されるかを見てみましょう。

ケース1：相続人が配偶者と子ども1人の場合

法定相続人は2人で、基礎控除額は4,200万円となり、相続財産が4,200万円以下であれば相続税は発生しません。

ケース2：相続人が配偶者と子ども3人の場合

法定相続人は4人で、基礎控除額は5,400万円となり、相続財産が5,400万円以下であれば相続税は発生しません。

まとめ

相続税の基礎控除額は、3,000万円に法定相続人1人あたり600万円を加算した金額で計算され、基礎控除額内に収まる財産には相続税はかかりません。
相続税を計算する際には、法定相続人の数や遺産分割の状況を考慮する必要があり、早期の確認が重要です。
相続に関して不安があれば、税理士に相談することを検討してみてください。